H30年度 事業計画・報告

月例観察会  (H30年度)


 毎月1回の、市民の森を散策し、楽しみながら、生態観察をしよう! という会です。
観察結果は、市民の森を散策される方への情報発信と、樹木の名札掛けをします。
 今年発行されたガイドブック2「森を楽しむ」も携えて、今年も、各人テーマを持って、「森の楽しみ方」を見つけます。


2018.4.17

 ようやく春です。今年も月例観察会が始まります。
 今年の年間メンバーは新人3名、旧人、スタッフも含めて19名になりました。
 下見の7日は快晴で暑い日で蝶も飛び、前途洋々でしたが、本番当日は肌寒く、夕方から雨という予報でした。

 本番の参加者は、一日参加の方1名を含み17名、長野日報の記者が途中まで同行しました。月例観察会も7年目になりますが、取材は初めてです。
 今回のコースは、沢沿いの小径→頂上コース→中央コース→南コースを行く一周コースで、お昼は池の周りで食べることを目標に進行しました。

輪になって

 昼食後、風がない場所で輪になって、自己紹介。
と思ったら「ポツリ」、急遽、帰りを急ぎ、駐車場に戻ってから自己紹介の続きになりました。
結局は雨には会わず、予定通りの観察ができました。
 天候が悪いため、飛翔する蝶の出合いは少なかったのですが、春一番の芽吹きを中心に観察しました。

観察風景

 スタッフが口にした植物名を丹念に記録された方がいらっしゃり、それによると150種あったそうです。 スタッフも驚きでした。

 4月恒例のエゾエノキの根元でのオオムラサキ幼虫の観察は、根元、そして樹幹を登り始めた幼虫を観察できました。葉はまだ出ていません。 芽吹きを枝で待ちます。斜面にあるエゾエノキの根元には今年は葉がありません。雪が少なく根元の葉が風で飛ばされたようです。 飛ばされた幼虫は木に戻れるのでしょうか?
皆の疑問でした。今年は飛翔するオオムラサキが少ないのかもしれません。

樹幹を上るオオムラサキ
樹幹を上るオオムラサキ

枝ぶりが特徴のミズキ
枝ぶりが特徴のミズキ

花と見紛うコナラの新芽
花と見紛う
コナラの新芽

コバノガマズミの蕾
コバノガマズミの蕾

今真っ盛りのモミジイチゴ
今真っ盛りの
モミジイチゴ

月例観察会  4月の掲示(PDF:550KB) 


2018.5.15

 今回は、横河口→セセラギコース→南コース→池(昼食)→東コース→横河口を歩きました。目玉は、サイカチ、ナラガシワ、ヤマナシなど、このコースならではの樹木。和気あいあい、いつものように道草の多い観察会でした。

 春ならではのキノコのアミガサタケが沢山出ていました。アミガサタケは変な形のキノコ。図鑑には毒キノコのマークがついています。しかし、「ゆでこぼして食用に利用」とも書いてありますが、「ゆで方が不十分だと・・・」とも書いてあります。先日、市民の森で出会ったフランス人の方から、「モリーユはあるか?」と聞かれました。「モリーユ」はアミガサタケのこと。欧州人は好んで食べるようです。キノコを見つけると「食べられるか?」と聞かれます。 メンバーの皆さんには、くれぐれも「食べ方に注意」と念を押しました。

輪になって

 解散した後、バッコヤナギにコムラサキの幼虫を見つけました。月例観察会の幼虫図鑑にまた一種追加です。来月の観察会までどれくらい成長しているでしょう。楽しみです。

アミガサタケ
アミガサタケ

オニグルミの雌花と雄花
オニグルミの雌花と雄花

コバノガマズミ
コバノガマズミ

オノエヤナギにコムラサキの幼虫
オノエヤナギに
コムラサキの幼虫

月例観察会  5月の掲示(PDF:618KB) 


2018.6.19

 一週間前から天気予報は雨になったり曇りになったり、悩ましい季節です。12日の下見では、朝は晴れていましたが池の四阿で昼食中に土砂降りとなり、四阿から一歩も出られない状況でした。暫くすると、やんだので濡れずに済みましたが、本番はこうなってほしくないので予報を見ては一喜一憂の一週間でした。

 本番は良い天気で、前日までとは大違いの暑さで汗をかきながらの観察会になりました。
 今月のコースは、横河口→東コース→北コース(コアジサイの群落を観て戻る)→池(昼食)→南コース→せせらぎコース→横河口にしました。
 オープンされていないコースはヘルメット着用しています。

観察風景

 今日のお目当ては、北コースのコアジサイの群落です。涼やかな薄青の花が群れて咲く景色は、一見の価値のある景色です。今年は丁度満開で皆さん大喜びの様子で案内するスタッフも嬉しく感じる瞬間です。
 天気が良く気温も上がったので蝶、トンボなどが沢山出現し、虫担当スタッフ(馬場)の捕虫網が大活躍でした。採集した昆虫は観察後、即、解放します。

コアジサイ

 今年の6月はメマトイ(人の顔の周りをうるさく付きまとう小形の虫の総称)が多いので、事前に各自虫除け対策をお願いしました。皆さん、網を被る、虫よけスプレーを掛けるなどの対策をしましたので、皆が集まると色々な匂いがして、森の匂いを味わうことが出来ないという大弊害。今後の要検討事項です。

ヒメキマダラセセリの卵 サイズ1mm
ヒメキマダラセセリの卵 サイズ1mm

コジャノメ
コジャノメ

ルリシジミ
ルリシジミ

月例観察会  6月の掲示(PDF:580KB) 

知っておきたい指定希少野生動植物の話
 定款で「生物の多様性の保全」を謳っている団体として、希少野生動植物に関して知っておくべきこと、市民の方にお知らせすべきことを、環境保全研究所の尾関さんに確認し、纏めてみました。
 絶滅のおそれのある野生生物の種をリストアップしたものをレッドリストと言い、そこで絶滅危惧種が規定されています。そしてこのリストの種について生息状況などを解説したものをレッドデータブックとして纏められます。長野県も平成10年度から県版レッドデータブックの作成事業が始まり、そのレッドリストを元に、指定希少野生動植物、特別指定希少野生動植物を指定し、長野県希少野生動植物保護条例を平成15年に施行して保護しています。
 市民の森で見かける種ではサクラソウ、エンビセンノウが該当します。
 そこで、指定希少野生動植物に対して条例でどのような規制がされるか条例を拾い読みしてみました。
 まず、野生種の保護です。野生の指定希少野生動植物の生きている状態の個体(タネも含む)の採集は、県知事の許可が必要です。採集が許可されるのは、原則として学術研究や保護のための採取であることが前提です。出回っている苗は条例が施行される以前に採取・栽培されたものと思いますが、現在は規制が掛かっていることを知っておくことが必要でしょう。
 もう一点は、遺伝子の撹乱の問題です。栽培した個体は由来が分からないので、もし栽培しているなら野生種と区別して管理し、外部に逃げ出したり、野生種と混ぜないように注意しましょう。
(自生株との遺伝子の交雑を防ぐため)


2018.7.17

 毎日暑い日が続きまので、山歩きは日陰の多い楽なコースにしました。沢沿いの小径でオオヤマサギソウを観察、頂上付近でエゾエノキでオオムラサキの幼虫を探し、アワブキでスミナガシの幼虫探し。

 今日のアイドルはスミナガシの幼虫君。写真を撮ろうとアイドルに群がる女性陣。その熱気に割り込めない男性陣。月例観察会の1ショットです。
 昼食時にはメンバーから、市民の森のニガイチゴで作ったジャムがお手製のパンと一緒に振舞われ、味覚も楽しみました。ニガイチゴは苦くない!ガイドブック2(P24)に「イチゴの味比べ」が掲載されていますので、ご一読ください。

観察風景

 また、7月10日にオプション観察会として、八島湿原の観察を実施しました。植生の違いによって飛ぶ蝶の違いなど、比較観察ができました。

スミナガシ終齢幼虫
スミナガシ
終齢幼虫

オオヤマサギソウ
オオヤマサギソウ

ヤマハギ
ヤマハギ

ドクダミ
ドクダミ

ダイコンソウ
ダイコンソウ

月例観察会  7月の掲示(PDF:611KB) 


2018.8.21

 夏休みは皆さんお忙しいようで10人での観察となり、のんびり。そして暑さもさほどでもなかったので、じっくり観察ができました。
 雨の気配もありましたが日が差してくると、多種の蝶、トンボも飛び始めました。今日の主役はやはり昆虫でしたが、植物もこの時期だけのサワギキョウ、ミヤマウズラも観察できました。

観察風景

 今日の観察ルートは、駐車場→(沢沿いの小径)→水車小屋→(南コース)→池(昼食)→(野鳥の小径)→水車小屋→(山頂コース)→駐車場 でした。
 野鳥の小径は年に1回通るくらいで、余り観察対象を見つけていません。今回は、何か見どころを見つけようとルートに組み込みました。
 今回このコースで、種名が分からない若木を1本見つけました。樹皮はカバノキ科らしい横筋。葉は互生につき、クサビ形で先端が尾状に尖り、縁には重鋸歯があります。現時点での候補はアサダ カバノキ科 アサダ属の落葉高木です。しかし、我々の同定力はまだまだ。じっくり観察を続けます。
 写真から樹種名が分かったかたがいらっしゃったら、ご一報ください。

サワギキョウ(沢桔梗)
サワギキョウ
(沢桔梗)

ミヤマウズラ(深山鶉)
ミヤマウズラ
(深山鶉)

不明木の幹
不明木の幹

不明木の葉
不明木の葉

月例観察会  8月の掲示(PDF:552KB) 

私たちは、このような活動を通じて人と森林との新たな関係を作り出し、豊かな森林を次世代にバトンタッチしたいと願っています。